ワールド碁チャンピオンシップ

2017.03.20  |  Zen, 囲碁  |  Comments (0)

明日21日から、ワールド碁チャンピオンシップが開催されます。

ワールド碁チャンピオンシップ | -世界最強棋士決定戦-【公式】
http://www.worldgochampionship.net/

Zenの成績の事前予想を簡単にしてみます。とりあえず囲碁電王戦の時のバージョンは13.0でいいのかな? CGOSからいくと、1c1g1c0gが混ざっているのでちょっとややこしいですが、Zen-13.0-1c0gZen-13.3-1c0gとの差46と、Zen-13.3-1c1gZen-14.2-1c1gとの差133との合計179ぐらい進歩したってことでよいでしょうか?(だとしたら、思ったよりかなり強くなっているな…) で、これが一番はっきりしないところですが、囲碁電王戦時点で、治勲先生に対して勝率33.3%ぐらいだったとして120の差。ここまでの分をGo Ratingsのレートでそろえると、

朴廷桓 3575
芈昱廷 3554
井山裕太 3526
DeepZenGo 3301(趙治勲3242-120+179)

Zenの期待勝率は、それぞれ

朴廷桓 17.1%
芈昱廷 18.9%
井山裕太 21.5%

ということなので、3連敗の確率が52.8%。なかなか厳しいですね。ただ、囲碁電王戦の時がかなり不出来だった可能性もそれなりに考えられます。一つ勝ってくれると面白いのですが… ハードとか対局時間とかは、もうよく知りません。とりあえず明日の初戦の対戦相手は、芈昱廷九段です。

[追記 2017/3/21]
Zenは中押し負け。なんだかなあってところもいろいろありましたけど、実力的には十分戦えそうで良かった。そして井山さんも中押し負け。あの碁はなんとか勝ってもらいたかった…

話し変わりますけど、こんなイベントを平日の昼間にやるってどうなんでしょう?

[追記 2017/3/22]
今日もZenと井山さんの負け。井山さんの負けは、ちょっとこたえるなあ…(泣) このままいけば、明日がおそらく最終日ですよね? Zenには悪いけど、井山先生を応援することにします。

[追記 2017/3/24]
井山先生…

Rnやばい

Masterやらなんやらで大騒ぎだったここ一ヶ月間ほどのコンピュータ囲碁界でしたが、そんな中、ひっそりと、しかし何気に本格的にやばいなと思うのが、CGOSでのRayのニューラルネットワーク強化版、Rn(と呼べばいいのか?)の強さです。現在最新のRn.3.6-4cは、アンカーとして(?)以前からずっと居続けているZen-12.0n-1c追いついた(この表現は誤解を生む…)たどり着いた感じです。

(CGOS) 19×19 Computer Go Server
http://www.yss-aya.com/cgos/19×19/standings.html

逆にちょっとだめそうなのがZenで、ここ最近あまりレート上がってないですよね? CGOSだけで判断していいのかは分かりませんが、今度のワールド碁チャンピオンシップは3連敗の可能性が一番高いのでは…

一番直近のRnとZenの最新版の対局を一局どうぞ。


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そろそろCOSUMIの19路盤も強くできそうな気がしてきました。AlphaGoがオープンソースにならないかな?(笑)

「Ray 囲碁」をGoogleで検索すると、うちのブログ記事が一番上に来るのが気に食わないので、最後にRay関係のリンクをいろいろ置いておきます。

Rayの本家サイト
http://computer-go-ray.com/

RayのGitHub
https://github.com/koban6/Ray/

RnのGitHub
https://github.com/zakki/Ray/

Rayの中の人のTwitter
https://twitter.com/goraychan

Rnの中の人のTwitter
https://twitter.com/k_matsuzaki

[追記 2017/2/7]
Rnの中の人、松崎さんがこの記事を見てくださったみたいです。

一応念のために書いておくと、CGOSで動いているRnとZen(1c0g)はハードがだいぶ違うというのは理解しています。でもまあ、あれだけガチで開発しているZenが強いのはある意味当然ですし、毎日毎日、計52コアでGNU GoとFuegoを動かし続けている私からすると、自分はものすごく間違ったことをしているのではという不安に襲われ(笑)、「Rnやばい」って感想になります。

コメントがスパム判定されるっていうのは、他の方にも言われました。コメントしようとして下さったみなさん、申し訳ありません。また時間のある時に調べます。

[追記 2017/2/19]
Rn.3.9-4cが14戦全敗だったZen-13.3-1c1gに、Rn.3.10-4cがいきなり土をつけてちょっとびっくり。しかし、すべては偶然の産物か…


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それにしても、碁のレベルが高すぎ…

趙治勲 vs Zen

第2回囲碁電王戦が開催されることになりました。

第2回囲碁電王戦
http://denou.jp/go/

記者発表会が行われると発表された時に、ある程度予想できた内容と言えるでしょうか。前回の囲碁電王戦の時も、発表から開催までの間隔が非常に短かったのですが、こうした方が注目を集めやすいという判断なんでしょうね。それにしても、世間一般的に囲碁は全く話題になりませんね。ただ、AlphaGoの時も一回始まってからがすごかったので、まだ今のところはっきりとは言えませんが…

ZenはKGSで10dですから、もちろん勝機は十分にあるでしょう。記者発表会で出てくる12.4というバージョンから、どれだけ上積みがあるのかはちょっと分かりませんが、CGOSとか見てる限り、むちゃくちゃな進歩は無さそうでしょうか?

おそらく、来年の柯潔-AlphaGo戦はすでに決まっているのだと思いますが、ここまでくるとGoogleは一番手直りでやりたいぐらいでしょうから、柯潔先生にそれを受けてもらえなければ、とりあえず今回Zenにがんばってもらって、その後Zenと一番手直り十番勝負ぐらいやればいいんじゃないかと思います。

[追記 2016/11/20]
ということで、第一局は趙治勲名誉名人の中押し勝ちでした。実力が拮抗してそうなので、残り2局もかなり楽しめるんじゃないかと… ただの勘で本当に適当なことを書きますが、右下を黒にコスミできっちり取りきっててもらえれば、Zenが勝てたような気がしないでもないです。できれば、Zenにも一つ勝ってもらいたいですね。

しかし、COSUMIには本当に人が来ないですねえ。第1回囲碁電王戦の時は、(たしかものすごい突貫工事で作った)囲碁のルール説明の動画を流してたのに、なんで今回はそういうの流さないんだろうと思います。考えがあってそうしているのならまあなんですが、ただうっかりしているだけっぽいのがなんとも…

[追記 2016/11/20]
第二局はDeepZenGoの中押し勝ちでした。対局内容が、なんだかものすごくZenな感じでした。これで両者とも一つは勝てて、良かったのではないでしょうか。第三局も楽しみです。

[追記 2016/11/24]
第三局は趙治勲名誉名人の中押し勝ちとなり、第2回囲碁電王戦は趙治勲名誉名人の勝利となりました。おめでとうございます。

ここからは、少し話題になっているZen開発者の加藤さんの判断による投了について、私の考えを書いてみたいと思います。

まず第一に、あんな局面で投了するなんてありえません。趙先生も井山先生も全然しっかりとした見通しが立っている感じではないですし、なによりもZen自身の白番のwinrateが50.1%のタイミングで投げるなんて、正気の沙汰ではない(ちなみに、手元の天頂の囲碁6だと62%ぐらい、山下さん曰くAyaは72%!)。しかし、以前、将棋電王戦で話題になった時にも感じたことですが、そもそも大会レギュレーションで開発者判断の投了が許可されているのがおかしな話で、「本当にドワンゴは学習能力ないわ。五目ナカデで死ね」って最初思ったのですが(笑)、一応念のために、今回の第2回囲碁電王戦の対局ルールを確認してみると、これって開発者判断による投了を認めていない気が…

囲碁電王戦 趙治勲名誉名人 vs DeepZenGo 対局ルール
http://denou.jp/go/pdf/denou_go_rule201611.pdf

ゆっくりと順番に読んでいきますと、まず今回の大会では対局ルールを

対局は日本囲碁規約に準ずるものとする。

としています。日本囲碁規約とはこれのことです。

日本囲碁規約(全文) | 棋戦 | 囲碁の日本棋院
http://www.nihonkiin.or.jp/match/kiyaku/zenbun.html

この日本囲碁規約の第十一条でこのように定められています。

第十一条(投了)
対局の途中でも、自らの負けを申し出て対局を終えることができる。これを「投了」という。その相手方を「中押勝」という。

素直に読めば、負けを申し出ることができるのは対局者のみ、今回の場合はDeepZenGo(と趙治勲名誉名人)のみです。そして、先ほどの「囲碁電王戦 趙治勲名誉名人 vs DeepZenGo 対局ルール」にはこれを上書き、または補完するような規定が見つかりません。このようなレギュレーションで行われていた対局にもかかわらず、開発者の判断で勝手に投了するのは無理があると思われます。

開発者の判断で投了することの是非が、過去に大きく話題になったのは、なんといっても将棋電王戦FINALでの、AWAKE開発者、巨瀬亮一さんによる21手投了でしょう。あの投了に対して様々な議論があるのは致し方ないことですが、ただ間違いなく言えるのは、レギュレーション的には問題なかったということです。

将棋電王戦FINAL 対局ルール
http://ex.nicovideo.jp/img/denou/final/pc/Rules_denousen_final.pdf

着手確定について」の項目には、こう書かれています。

ソフト開発者には「投了する」の権利を認める。

ドワンゴはしっかりとした意図を持って、このような権利を開発者に付与することを今回は止めたのではないかと推測するのですが、もし仮にそうだとしたら、運営としてレギュレーション違反だとちゃんと指摘しようよ…

長くなりましたが、まとめます。

  • 開発者の判断による投了は、レギュレーション違反。運営も含めて、なぜみんなそれを指摘しない…
  • 仮にレギュレーション的に問題なくても、あんな所で投げるな!(怒)

以上です。

天頂の囲碁6 Zenを使って置き石の価値を調べる

2016.07.02  |  Fuego, Zen, 囲碁  |  Comments (0)

HiraBotの中の方が、「HiraBotにたくさん対局させることによって適切なコミ(置き石の価値)を調べる」ということをされています。

適切なコミを求める
http://kiyoshifk.dip.jp/kiyoshifk/apk/komi-V4.pdf

私もこれを見て、最近購入した天頂の囲碁6 Zenを使って、同じく置き石の価値を調べてみたくなったので、試してみました。と言っても、たくさん対局させるのはかなり大変なので、コミをいろいろ変えて考えさせて評価値(win rate)が50になるところを探ってみる、という非常に簡易的な方法です(要するに、最新版の天頂の囲碁を手に入れたのがうれしくて、ちょっと浮かれてなにかやってみたくなっただけです(笑))。

今回は2子、3子、4子を調べてみました。次のグラフのY軸の評価値は、置き石を置いた開始局面で「検討」を使って次の手を考えさせ、その時に探索回数が一番多かった手の評価値です(「検討」はある程度までいくと自動的に止まりますが、そこまで考えさせてからの数値です)。天頂の囲碁は、それ自体では、コミが9目半までしか設定できない(と思う)ので、あらかじめコミを設定しておいたSGFファイルを作成し、それを読み込ませて考えさせています(たぶん、これで特に問題は無いと思います)。

ということで、見ていただいたとおり、だいたい2子で15目3子で25目4子で35目という結果でした。やり方が雑なのはよく分かっていますが、それにしても置き石の価値がちょっと小さすぎですよね。うーんなんでかな… 少し気になるのは、今回のように置き碁の初期局面を白に考えさせると、時間が経つにつれ評価値がすうっと下がっていくんですよね。長い時間考えさせると、探索回数が増えるにつれ形勢の良い悪いがだんだんとはっきりしてきて、評価値が50から離れていく傾向っていうのは常に少しあるかなと思うのですが、今回は、50を超えていてもほぼ例外なく時間とともに数値が下がってきます。これは、黒が置き石を上手に利用する手順が、探索するにつれ見つかってくるってことなんでしょうか? 「豚に真珠」ならぬ「へぼに置き石」的な…(笑) しかし、それだけではこの数字の少なさはちょっと説明ができないような気もします。

ということで、最後にFuego先生のご意見もお伺いすることにしました。1000k playoutで4子のみ、以下のグラフは先ほどの天頂の囲碁の4子との比較です。

Fuegoですら、38.5目って言ってます。それでも少なすぎる気がしますが、どっちにしろ天頂の囲碁の方はやっぱりなんかおかしいですよね。たぶん、私が何か勘違いしているんだと思います。

「天頂の囲碁6 Zen」と「最強の囲碁 Deep Learning」

2016.05.21  |  Zen, 囲碁  |  Comments (1)

「天頂の囲碁」と「最強の囲碁」の最新版が発売されます。

『天頂の囲碁6 Zen』特設ページ | マイナビブックス
https://book.mynavi.jp/tencho6/

最強の囲碁 Deep Learning
http://www.unbalance.co.jp/igo/sigoDL/

名前に「Zen」とか「Deep Learning」とか入れたほうが売れると考えられているのが、なんだか今時な感じがしますね。どちらかを購入したいのですが、天頂の囲碁は3を持っているので、今回は最強の囲碁にしようかな?

[追記 2016/7/3]

最強の囲碁は発売延期なったようです。英語版の方はまだ売っているように見えますが、違うのかな? とりあえず、私は天頂の囲碁を購入しました。

天頂の囲碁6 Zenは、相変わらず6つ入っている石音がどれも気に入らないので、COSUMIのに差し替えました。もし良ければ、ここに置いておきますのでご自由にお使いください。

http://www.perfectsky.net/misc/sound/stone.wav

天頂の囲碁6 Zenがインストールされたフォルダ(私の環境では、C:\Program Files (x86)\Mynavi\天頂の囲碁 6 Zen)の中のWavフォルダの中に、Stone1.wavStone6.wavがありますので、どれかひとつと差し替えれば使えます。元のファイルは一応バックアップ取っておいた方がいいですね。石音の設定は[表示]-[オプション][碁石の効果音]です。

第9回UEC杯コンピュータ囲碁大会&第4回電聖戦

2016.03.19  |  DarkForest, Zen, 囲碁  |  Comments (0)

今日から2日間、第9回UEC杯コンピュータ囲碁大会が開催されます。

第9回UEC杯コンピュータ囲碁大会
http://jsb.cs.uec.ac.jp/~igo/

そして、優勝と準優勝のソフトは(一応、他の上位ソフトの可能性もありますが)、23日(水)に行われる第4回電聖戦で小林光一名誉棋聖と対局することになります。

第4回電聖戦
http://entcog.c.ooco.jp/entcog/densei/densei4/

今回は、AlphaGoのおかげで逆に盛り上がりそうな気がします。なんか、とんでもなく強いソフトが混ざってそうなんですよね。ただ、無料で見られるライブストリームは無いみたいなのでちょっと残念。囲碁プレミアムは1日500円らしいのですが、どうしたものか…

[追記 2016/3/20]
優勝はZen、準優勝darkforest、3位CrazyStone、4位Ayaでした。Zenはエキシビションマッチも勝ったみたいで強いですね。最後はトーナメントなのではっきりしたことは言いにくいですが、Facebookのdarkforestも弱くはなかったようです。こう考えてみると、Google、Facebook、Baidu(?)、ドワンゴ(ここに並べていいのか分からないですが…(笑))、みんな囲碁やるんですね。IBMだって、以前Fuegoでちょっとやる気になっていたはずで、BlueFuegoなんてものもありました。このあたりは将棋と全く状況が違って、囲碁は国際性がありますね。

[追記 2016/3/26]
電聖戦は、darkforestの中押し負けに、Zenの4目半勝ち。プロ棋士に対して3子の勝利は価値がありますね。


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お金が大切なのは分かりますが、どのみちほとんど実になっていないと思うので、どうせならただで見せて欲しかったです。もうちょっとうまいやり方無いんでしょうか?

衝撃のAlphaGo

「今年のUEC杯はすごいよ。保木さん、山本さん、西海枝さんのコンピュータ将棋開発者組に加えて、あのFacebookもいるよ!」って感じのブログ記事書こうかと思っていたら、とんでもないニュースが飛び込んできました。

Google Japan Blog: AlphaGo: マシンラーニングで囲碁を
http://googlejapan.blogspot.jp/2016/01/alphago.html

AlphaGo | Google DeepMind
http://www.deepmind.com/alpha-go.html

いろんな情報が一気に出てきて、把握できていないことも多いのですが、すごく簡単に書くと、

  • Googleが開発した囲碁ソフト「AlphaGo」が、ヨーロッパチャンプに互先で5戦5勝
  • 他の強豪ソフトに対しても、495戦494勝!
  • 今年3月に、イ・セドル九段と対決。賞金100万ドル。たぶんYouTubeで生で見れそう

今回、AlphaGoと対戦したFan Hui二段は、Remiさんのレーティングによると、阿部良希初段髙嶋湧吾初段後藤俊午九段万波奈穂三段あたりと同格で、イ・セドル九段とのレートの差は599。現時点では、まだAlphaGoはトッププロの域に達していないのではないかと私は思っているのですが、大橋先生曰く、「3月はあぶないそうです。なんだか、たった一日で世界が変わってしまいましたね…

COSUMIも今日は本当に大盛況で、アクセス数の最高記録を大幅に更新することは間違いありません。特に海外からのアクセスがすさまじく、中でもアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏が相対的に多いですね。一次ソースが英語だと、こんな感じになるんですかね? 英語圏の人に刺さりやすい話題だってことは、特にないですよね?

あと、ここ最近COSUMIのレスポンスが悪い時間帯が多くて申し訳ありません(たぶん今日はひどかったですね…)。理由は分かっていて、サーバのリソースが足りていない訳ではなく、ウェブサーバの設定が悪いだけなのですが、このとおり24時間ものすごいアクセスなので、直すタイミングが無くなってしまいました… 適当な時を見計らって直しますので、もうしばらく我慢していただけたらと思います。

最後にAlphaGo vs Fan Huiの全5局の棋譜を置いておきます。


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[追記 2016/1/28]
なにこれ…(絶句) 22:55ぐらいです。報道ステーションらしい。ルール解説のページだけで457。しばらくこんなのが続くのか…

[追記 2016/1/30]
書き忘れたこととか、後で知ったことなど書いていきます。

このペーパーがとても面白いので、がんばって読んでみるんですが、対Fan Hui戦は、公式には5勝0敗ですが、それ以外に非公式な対局が5局行われていて、結果はAlphaGoの3勝2敗だそうです。この非公式な対局は、3 periods of 30 seconds byoyomi のみの時間の短かい碁だったみたいですね。このあたりをどう見るのか… そして、Ericaの作者、Aja Huangさんのお名前を発見! DeepMindでお仕事されているんですね。あんなに強いソフトを作っておられたのに、もうやめちゃったのかと勝手に思っていました。私が知らなかっただけのことですが、なんだかちょっとうれしかったです。

対イ・セドル戦は3月8日~15日に行われ、先に3局勝った方が勝ちの5番勝負と言うことですが、途中の結果にかかわらず5局全部打つらしいです。セドル先生の対コンピュータ戦が5局も見れるなんて本当に夢のようですね。結果の予想については、当初、私はセドル乗りだったのですが、いろいろ考えているうちになんだかイーブンな気がしてきました。とりあえず5局も打ったら相当な確率で1発入りそうな気がします。そしてもし本当にそうなれば、まさに歴史に残る大偉業と言えるでしょう。しかし、3月8日~15日ってUEC杯の前に差し込んでくるんですね(笑)。なんか「UEC杯が霞んだ」みたいなこと言う人が多いですが、実際は、UEC杯と電聖戦はそれはそれでかなり面白いと思います。

ここからしばらく、囲碁関係の大きな話題が続きそうなので、私はCOSUMIが安定して動きつつけるようにだけはがんばってみます。ひとまずウェブサーバは新しい設定で再起動したので、今はサクサクかな?

[追記 2016/2/7]
対セドル戦の日程は、3月9日、10日、12日、13日、15日と決まりました。もう、ほんの一ヶ月後のことですね。もしタイムマシンがあったら、一ヶ月前に戻って「二ヵ月後、100万ドルを賭けた、コンピュータとセドルの5番勝負があって、戦前の予想はけっこう拮抗してるよ」って言って回りたいですね(笑)。まあ、誰も信じてはくれないでしょう。私が思うに、このタイミングでのAlphaGoの出現って、いわゆるブラックスワンじゃないかと。2016年(違った。2015年だった)にAlphaGoが存在していることを、「予測可能だった自然なもの」として受け止め始めている世間(もしかしたら私も)の現状に、なんというか軽い狂気を感じます。

もう一方のZenはというと、4子で伊田先生に勝ったようです。

[追記 2016/2/7]
今年に入ってからの、COSUMIのアクセスの推移です。まずは全体。

そして、英語ページ限定。

どーんと来た後、元の水準まで完全に戻りきらなかったことは、今までちょっと記憶にありません。AlphaGoは囲碁普及に大いに役立ったのではないでしょうか?

囲碁電王戦が始まります

2014.02.02  |  Zen, 囲碁  |  Comments (3)

囲碁電王戦なるものが始まるようです。

第1回 囲碁電王戦 | ニコニコ動画
http://ex.nicovideo.jp/denou/igo/

とりあえず今回の一番の見どころは、13路盤の対江村棋弘アマ戦でしょうか? この対戦が、今回の中では一番人間が勝ちやすいと思いますが、プロレベルの実力と言って差し支えない江村さんに、Zenが一発入れる可能性も全くないわけではないと思います。もしそんなことになれば、19路盤4子なんかとは比べ物にならないインパクトですが…

それにしても、発表から開催までの日にちがかなり短いように感じます。相当急に決まったんですかね?

第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会

2013.03.16  |  Fuego, Pachi, Zen, 囲碁  |  Comments (1)

今日と明日の2日間、第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会が行われます。

第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会
http://jsb.cs.uec.ac.jp/~igo/

主な参加ソフトは、Zen、Crazy Stone、Pachi、Aya、The Many Faces of Go、Nomitan、MP-Fuego Prototypeあたりでしょうか? 優勝と準優勝したソフトは、来週水曜日に行われる第1回電聖戦で石田芳夫九段と対局することになっていますので、かなり注目です。

明日午後からのみのようですが、ネット配信もあります。

USTREAM: 第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会: 2013年3/16(土), 3/17(日)の二日間にて第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会を開催します。
http://www.ustream.tv/channel/%E7%AC%AC6%E5%9B%9Euec%E6%9D%AF%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%9B%B2%E7%A2%81%E5%A4%A7%E4%BC%9A

[追記 2013/3/18]
優勝はCrazy Stone、準優勝はZenでした。明後日は何子で打つんでしょうか? できたら3子がいいな…

[追記 2013/3/19]
今日、こちらのページに明日の電聖戦は3子でやると、一度出てたと思うんですが、今見ると3月20日午前ハンデ確定になってますね… でもまあ3子なんじゃないかと思います。

[追記 2013/3/21]
結局、一局目のZenは4子、二局目のCrazy StoneはZenが勝ったら3子で負けたら同じく4子という条件でスタートし、Zenが負けてCrazy Stoneが勝ちました。なんか「コンピュータソフト開発者側から3子はきついみたいな話が出て、とりあえず4子からにした」みたいなことを言われてましたが、賞金がでる対局でそういうことはあまりやらないほうがいいと思います。あと対局条件はそろえた方が良かったのでは? もし今回、Zenが勝ってCrazy Stoneが負けてたらと思うと、ちょっとそれは…

Zen vs 石田芳夫九段 (白中押し勝ち)

Crazy Stone vs 石田芳夫九段 (黒3目勝ち)

コンピュータ対プロ棋士の9路盤対決 第2弾

2012.11.25  |  Zen, 囲碁  |  Comments (2)

本日11月25日(というか、もうまもなく)、以前行われたコンピュータ対プロ棋士の9路盤対決の第2弾が開催されます。

コンピュータ囲碁がプロ棋士に挑戦 第2弾!
http://entcog.c.ooco.jp/entcog/event/event20121125.html

蘇耀国八段、大橋拓文五段、一力遼二段とプロ棋士の面子がすばらしいですね。ニコニコ生放送でライブ中継もあります。

「コンピュータ囲碁がプロ棋士に挑戦」~九路盤ガチンコ対決~ 第2弾 – ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv115455271

[追記 2012/11/25]
結果はプロ棋士の6戦全勝でした。9路盤6局だけでどうこう言うのもちょっとあれですが、なんかZenは少しおかしかったですかね? 9路盤のあんな後ろのほうで間違えるのは、やや不可解な気がしました。加藤さんは「整数のコミがもしかしたら…」みたいな話を少しされていました。あと、今回はオープニングブックは使ってなかったようです。プロ棋士の人選は本当に本当に良かったと思います。

[追記 2012/11/26]
昨日の棋譜を天頂の囲碁3でいろいろと検討させていたのですが、プロ棋士が悪手だと指摘した手をことごとく選んでしまいますね… もちろん今のZenと天頂の囲碁3を同一視することはできませんが、この2つは兄弟なのだなあとなんか感心してしまいました。昨日はZenが間違えやすい碁形にたくさんなったかもしれませんが、設定が特別おかしかったとかではなさそうです。

一例を示すと、第三局の対蘇耀国八段(黒番)戦。

天頂の囲碁曰く、28手目は絶対H2だそうです(実は26手目でもかなりの確率でそこに打ちたがります)。これはどうやら次の黒H3が見えてないからのようで、29手目の黒番を考えさせても候補手にほとんどと言っていいほど出てきません。そして、30手目のH4の時に評価値がだいぶ下がってしまいます。

しかし、9路盤のこれだけ最後のほうで、自分の打つ手の隣をろくすっぽ考えないというのはどうなんでしょうか? 読みの幅が少し狭すぎるような… このあたり19路盤と9路盤で設定をあまり変えてないのかもしれませんね。ちなみに、加藤さんが「プロ棋士に予想外の手を打たれたときに、Zenがそれを悪い手だと判断することは無かった」というようなことを言われてました。あと、コミを半目足したり引いたりしても傾向は変わりませんでした(まあ、天頂の囲碁3でやっててもなんですが…)。

大橋先生が6連勝できた理由を聞かれて、「9路盤を研究したこと」と、「Zenを研究したこと」と、「運」だと言っておられましたが 、個人的には一つ目の「9路盤を研究したこと」が一番大きいのではないかと思います。今まで9路盤で人間が負けた時はこれがちょっと足りなかったように思います。

天頂の囲碁4

2012.07.06  |  Zen, 囲碁  |  Comments (0)

天頂の囲碁4が出るようです。Amazonのページによると、発売予定日は2012年7月27日とのこと。今回は、例年に比べてちょっと時期が早いですね。

武宮正樹九段に四子で勝利した話題の思考エンジンを搭載。最高棋力は五段に到達、たゆみなく進化する大人気シリーズです。

今回のバージョンはパスしますけど、天頂の囲碁5が出たらまた買いたいな。

武宮九段 vs Zen

2012.03.14  |  Zen, 囲碁  |  Comments (2)

去年、震災の影響で中止された大橋五段とコンピュータソフトとの9路盤対決が、今年、バージョンアップして帰って来ます。

第6回 E&Cシンポジウムプログラム
http://entcog.c.ooco.jp/entcog/contents/symposium/6thE&C.html

特別イベント『コンピュータ囲碁がプロ棋士に挑戦!』(3/17)|囲碁のニュース|公益財団法人日本棋院
http://www.nihonkiin.or.jp/news/2012/02/317.html

武宮九段とZenの対局ということは、「どっちの石が上にいくか対決」(笑)ですね!(まあ、置き碁なんですけどね…) 一番手直りで計2局打ってもらえるのが、すごくありがたいです。ちなみに、今回のイベントはニコニコ生放送で放送されるようです。

[追記 2012/3/18]
4子でZenが勝っちゃいました… 本当にすごいですね。言葉が無いです。

第16回コンピュータオリンピック

2011.11.18  |  Fuego, MoGo, Pachi, Zen, 囲碁, 将棋  |  Comments (0)

本日11月18日から、オランダのTilburgで第16回コンピュータオリンピックが始まります。

Tilburg 2011 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/event.php?id=43&lang=3

囲碁はMany Faces of GoとMogoが今年は出ないようですが、代わりにPachiが居ますね(なぜだか19路には出ないようですが…)。

[追記 2011/11/26]
9路盤、13路盤、19路盤ともZenの優勝でした。現在、天頂の囲碁3を注文中なんですが、それがご祝儀です(笑)。基本的にZen、Steenvreter、Pachiの順で成績が良かったようです。最初そうは書かれてなかっただけで、Pachiは結局19路盤にも出たんですね。

次は、「第5回UEC杯コンピュータ囲碁大会」が12月3日から行われます。

第5回UEC杯コンピュータ囲碁大会
http://jsb.cs.uec.ac.jp/~igo/

天頂の囲碁3

2011.09.08  |  Zen, 囲碁  |  Comments (0)

[以前の関連記事] : 天頂の囲碁2, Zenが商品化されるらしい

天頂の囲碁3が出るようです。Amazonのページによると、発売予定日は2011年9月30日とのこと。

圧倒的な強さが武器の「天頂の囲碁」シリーズ、その最新作です。進化はますます加速し、最高棋力は前作よりさらに上がり「四段」。前作との対戦勝率は76%です。対プロの公開対局では、従来厳しいとされていた6子の手合で連戦連勝。特に周俊勲九段を6子で破った一局は多くの囲碁ファンを驚かせました。さらに2011年8月には、対プロで初めて5子の手合で勝利を収めました。プロ対局の観戦のお供に最適な新機能「検討モード」も搭載しています。マニュアルはゲーム中「ヘルプ」メニューに収録。

私も、今回のバージョンは買う予定にしています。良い先生になってくれるんじゃないかと今からちょっと楽しみ。

[追記 2011/12/10]
天頂の囲碁3買いました。すごく楽しいので、もうすでに50局(!)ぐらい打ってしまった… 以下、気づいたことなど簡単に書いてみます。ちなみに、私の棋力はKGS 2kです。

最初に四段と一局打ちました。予想通り負けました(笑)。ただ、意外なことにどうにもならないような感じではありません。その後、レーティング戦というのを5級(デフォルトがそうだった)から始めて今に至るのですが、今現在三段です…(しかも直近9連勝中) こんなに勝ててしまうのには、いくつか理由が考えられますが、なんにせよ、棋力四段というのはちょっと「看板に偽りあり」な気がしなくもないです。まあ、昔のソフトはもっと大嘘つきでしたが…(笑)

棋風はKGSのZenと特に変わらない印象です。結構自然な感じですが、コウと攻めあいでやっぱりおかしくなります。それと、これもKGSで見てた時から気になっていたんですが、弱い棋力のやつはものすごく石音のする方に打ってきます(こっちの手についてくる)。なので、車の後押しみたいなのがものすごく多いです。それから、次に書くことに関係してきますが、強い棋力の設定ほど、(必ずしも良い手とは言えない)突拍子もない手を打ってきます。

思考時間は十分早いと思います。CPUはAthlon X2 BE-2400で、四段でも1手長くて5秒ぐらい。全くストレスを感じません。ただ、このリソース消費量にはちょっと不思議な点があって、1手打つのに掛かる時間とタスクマネージャを見た感じ、6級~二段ではほとんど同じなんですよね(微妙に6級の方が二段より重い?)。どうやら、この範囲は単純にプレイアウト数で強さを変えてるとかではないみたい… さらに、三段も二段の3倍弱、四段も三段の2倍強、ぐらいしか考えてないように見えます。よくは分かりませんが、そんな程度で普通1子も強くはならないと思うので(なるんだったら四段と言わず、六段ぐらいまで設定を用意できちゃいますよね。このレベルのモンテカルロ囲碁はリソース10倍で1子というのを、どこかで見たような…)、少なくとも三段以下はある程度積極的に、強さ(動作の軽さ)を捨てて人っぽく打たせようとしてるんじゃないかと。先ほど書いた、「弱い棋力の設定ほど石音のする方に打ってくる」っていうのもたぶんこのあたりに関係してて、KGSで見た時は少ないリソースで良い手を打たそうとするとああなるのかなと思ってたのですが、そうではないような気がします。

対局後にwin rate(評価値)の推移が見れるのはとても良いのですが、どうせならもう少し拡張してCOSUMIの悪手指摘機能みたいなのをつけてもらえると最高です。局後の検討時に、スクロールさせながら数字を追って、どこで悪くしたか自分で調べるのはめんどくさい… 次のバージョンではぜひこれを検討してください。お願いします。

石音は6つも入っているのにどれもいまいち… 速攻でCOSUMIのに差し替えました。たまに「ボフッ」とかいってまともに鳴らないけど(笑)、個人的にはこっちの方がだいぶましです。

全体的にはとても良い商品だと思いました。すでに、1子ぐらい強くしてもらったような気がするし、私は購入して大満足です。

Zenはどれくらい中央志向か?

2011.08.04  |  Zen, 囲碁  |  Comments (2)

ここ最近、KGSでいろいろなバージョンのZenが打ってます。とにかくどいつもこいつもめちゃめちゃ強く、Zen19BSは今現在6dですし(ごめんなさい。Zen19BSは人間です! しかもZen19BSじゃなくてzen19BSです。ほんと何言ってんだろ…)、Zen19Sは、昨日のEuropean Go Congress 2011のイベントで、林耕三六段に5子で完勝してました。

そんなZenの対局をずうっと見ていると、相も変わらず凄まじい中央志向なので、数字にすると一体どれくらいなのか、ちょっと調べてみました。

初手から50手以内に打たれた場所の高さあたりの回数をグラフにしてみます。まず、Zen19Sの黒番白番12局ずつ計24局分の対局です。比較できるように、Zen以外のKGS3d~5dの対局のグラフも付け加えました。

Zen19Sがはっきりと高くなっていて、さらに対戦相手も少し下に押し下げられているのが分かります。

さらに、参考までに武宮先生(笑)も調べてみました。

対戦相手が違うので同じように比較はできませんが、先ほどとほぼ似たような傾向が見られます。ちなみに、「KGS3d~5d」のほうが「プロ棋士」より平均して0.2線ほど石が高めです。

最後に、Zen19Sと武宮九段を重ねてみます(繰り返しますが、対戦相手が違うのでなんですが)。

びっくりするぐらいの一致をみました(笑)。Zenは平均4.05線、武宮九段は同じく4.06線。Zenは武宮宇宙流ということでいいかな?

第15回コンピュータオリンピック

2010.09.24  |  Fuego, GNU Go, MoGo, Zen, 囲碁, 将棋  |  Comments (0)

[以前の関連記事] : 第14回コンピュータオリンピック

今日から、日本の金沢で第15回コンピュータオリンピックが開かれています。今年は囲碁に13路盤部門、将棋に5五将棋部門が追加されています。

金沢 2010 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/event.php?id=42&lang=3

The JAIST 20th Anniversary Events with the ICGA
http://www.jaist.ac.jp/ICGA-events-2010/olympiad/

さらに今年は、囲碁と将棋はネット中継があるようです。

ICGAの主なイベントのネット中継を実施
http://www.jaist.ac.jp/news/2010/0922_2.html

囲碁の19路はおそらくZenが一歩抜き出ていると思いますが、今年は去年出ていなかったMany Faces of Goも参加するみたいなので、意外と面白くなるかもしれません(他の伏兵だって居るかも…)。また、大会最終日の10月2日に、優勝ソフトと噂の史上最年少プロ棋士(そして秀行先生のお孫さん)、藤沢里菜初段との対局が行われます! しかも、これのネット中継もあります!! 何子で打つのかわかりませんが、すごく楽しみですね。

将棋の方も、今回は日本で開催されるということもあってか、去年とは打って変わって(笑)参加ソフトが多いです。激指、習甦、GPS将棋、Bonanzaなどが出ます。こちらも楽しみです。

[追記 2010/9/26]
9路盤の結果が出たようです。1位MyGoFriend、2位Fuego、3位Ericaでした。

MyGoFriendというソフトは初めて目にしましたが、こちらにウェブサイトがあります。

Home | mygofriend.net
http://www.mygofriend.com/

現在は9路に焦点を合わせて開発しているようで、今大会でも13路と19路には参加していません。

そして2位のFuegoですが、やっぱり9路では強いですね。3位のEricaは、この前のKGSの9路の大会で優勝していました。

ちょっと話変わりますが、今日、KGSにZen19とManyFaces1が居ました。Zen19は互先では3戦全勝、相手は全て3dでした! そして、ManyFaces1の対局を観戦しているZenAuthor… すでに火花が飛び散っています(笑)。

[追記 2010/9/28]
13路盤の結果が出たようです。1位Many Faces of Go、2位Fuego、3位MoGoでした。

Many Faces of Goの1位は順当なんでしょう。しかし、このソフトが9路では14チーム中10位(前回出場の一昨年は1位!)っていうのは、Many Faces of Goの作者が言われる「現在9路は良い定石を持っていないと勝てない」という事実を、如実に物語っている気がします。あくまでも推測ですが、MyGoFriendという新星の出現はこのあたりに秘密がありそうです。

明日からの19路は、やはり本命Zen、対抗Many Faces of Goでしょうか? FuegoやMoGoはどこまで食い込めるか…

[追記 2010/10/2]
19路は、1位Erica、2位Zen、3位Many Faces of Goでした。1位のEricaってこんなに強かったんですね… このソフトのことは今まで良く知らなかったのですが、9路と13路の結果からいって、19路はメダルもないかと思ってました。よく分かりませんが、Crazy Stoneの人が少しかんでるんでしょうか? 今日の対藤沢里菜戦が楽しみです。

(順当に強かった2位と3位をとばして)4位のMogoですが、ZenとMany Faces of Goとの対局は時間切れ負けでした(形勢は、Many Faces of Goとは良い勝負で、Zenには勝ってた?)。どうやら9路の時からトラブル続きだったようです。

5位のFuegoは、しちょうに取れない石を追っかけてましたね… おちゃめなのは嫌いじゃないです(笑)。

[追記 2010/10/2]
エキシビション対局は、藤沢里菜初段の中押し勝ちでした。コンピュータが強いプロ棋士に6子で勝つのは、まだまだ簡単なことではなさそうです。この対局のライブ映像は、録画されたものを今からでも見ることができます。

http://www.ustream.tv/channel/the-jaist-20th-an-ni-ver-sa-ry-events-go

天頂の囲碁2

2010.08.03  |  Zen, 囲碁  |  Comments (0)

[以前の関連記事] : Zenが商品化されるらしい

新しいバージョンの天頂の囲碁が発売されるようです。MYCOMのサイトにはまだ載ってませんが、もうすでにAmazonでは予約可能となっています発売予定日は2010年8月27日とのこと。

商品紹介も引用しておくと、

世界大会を制した前作との対戦勝率80%超。1子分の棋力向上を実現し、最高棋力「三段」の設定が可能。応手の早い思考ルーチンに「長考モード」を搭載、時間をかけて最強モードに挑戦できるメニューを用意。序盤の布石、棋風バランス、置き碁の挙動や投了のタイミングなども改良。

ということです。初代天頂の囲碁は、軽快に動作するけど中身がZenにもかかわらずそれほど強くなかったらしいのですが、今回のバージョンは実際どんな感じでしょうか?

[以後の関連記事] : 天頂の囲碁3

[追記 2010/8/26]
MYCOMのサイトにも載りました。

MYCOM GAME WEB 天頂の囲碁2
http://soft.mycom.co.jp/pcigo/tencho2/index.html

Zenが商品化されるらしい

2009.08.04  |  Zen, 囲碁  |  Comments (0)

前回のコンピュータオリンピック囲碁19路盤の部で優勝した、例のめちゃくちゃ強い囲碁ソフト「Zen」が、毎日コミュニケーションズから「天頂の囲碁」という名前で商品化されるようです。発売予定日は9月18日とのこと。

今までは、ちょっと闇に包まれていた感のあったZenですが、やっぱり強いんでしょうねえ… 商品化にあたって、どんな棋風にチューニングされているのか楽しみです。まあ、買うってわけではないんですが…(笑)

[以後の関連記事] : 天頂の囲碁3, 天頂の囲碁2

[追記]
MYCOMのサイトにも載りました。

MYCOM GAME WEB 天頂の囲碁
http://soft.mycom.co.jp/pcigo/tencho/index.html

第14回コンピュータオリンピック

2009.05.17  |  Fuego, MoGo, Zen, 囲碁, 将棋  |  Comments (0)

[以前の関連記事] : MoGoとFuegoを対戦させてみた

現在、スペインのパンプローナで、第14回コンピュータオリンピックという大会が行われています。チェスや囲碁などのテーブルゲームの大会のコンピュータ版なんですが、囲碁の9路盤と19路盤がもうすでに終了して結果が出ました。

14th コンピュータオリンピック, 囲碁 (9×9) – パンプローナ 2009 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/tournament.php?id=194&lang=3

14th コンピュータオリンピック, 囲碁 – パンプローナ 2009 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/tournament.php?id=193&lang=3

9路盤は1位Fuego、2位MoGo、3位Yogo、19路盤は1位Zen、2位Fuego、3位MoGoとなりました。9路盤はFuegoとMoGoの2強の戦い、19路盤は先の2つにZenを加えた3強の戦いといった感じだったようです。

しかし、Fuego強いです。9路盤と19路盤の両方でMoGoの上を行ったというのは相当ですね。まあ、Xeon E5450が8発ってのは若干反則気味ですが…(笑) 自腹で用意したんでしょうか?

そして、19路盤でそのFuegoのさらに上を行ったZenですが、CGOSでも抜群の強さを見せています。KGSのZen19ってアカウントがこのソフトだと思うのですが、ランクは1dだそうです。すごいですねー この大会のウェブサイト見て初めて知ったのですが、Zenの作者はYamatoさんという日本人の方だそうです。

今大会には将棋も競技としてあったのですが、参加はたったの2チームだけだったようです(ちょっとさびしい…)。TACOSが出て優勝しています。

[以後の関連記事] : 第15回コンピュータオリンピック

[追記]
Fuego開発者の方の、詳細な大会レポートが出ています。ハードウェアはIBMが用意してくれたみたいですね。

Fuego at the Computer Olympiad in Pamplona 2009: a Tournament Report(PDF)
http://www.cs.ualberta.ca/TechReports/2009/TR09-09/TR09-09.pdf

大会に参加したのとほぼ同じ内容のFuegoの安定版、バージョン0.4もリリースされています。