今回はYAMAHAのモニタースピーカー、「MSP3」について書いてみたいと思います。このサイトはPCやインターネット関連の話題のみを扱うことにしているので、このアナログなスピーカーの話は微妙なところなんですが、私もそうですがPCのモニターの横に置くことも多いだろうということで(笑)、まあいいかな?
MSP3 | スピーカー | 製品情報 | ヤマハ プロオーディオ
http://proaudio.yamaha.co.jp/products/speakers/msp3/
このスピーカーを手に入れたのは10年近く前だと思うのですが、そもそも発売になったのが、ちょうど10年ぐらい前らしいので、比較的出てすぐに買ったことになります。他にもう少しまともな再生環境があったので、このスピーカーで本格的に音楽を聴くことはあまりなかったのですが、先にも書いたように、PCのモニター横のスピーカーとしてずいぶん活躍してくれました。私が買った時は、ペアで35,000円ぐらいはしたと思うのですが、今は25,000円を切るようです… コストパフォーマンスはかなり良いと思います。
で、そんなお気に入りのスピーカーなんですが、買い換えたいなと思いまして(笑)、ウェブでいろいろ見ていたんですね。そしたらこんなMSP7 STUDIOの内部写真を見つけたわけです。
http://www.midifan.com/modulearticle-detailview-1431.htm
そして、これを見てしまうと自分のMSP3も開けたくなるわけです(笑)。
ということで、ここから先はMSP3をちょっとだけ分解してみた話になりますが、めんどうなので内部の写真も回路図もありません。ごめんなさい。また、予め書いておきますが、私は電気回路についてもあまり詳しくありませんし、単純に見間違えてる場合もあると思います。そういうつもりで、以下は読んでください。
まず、背面のネジを外します。たくさんありますが、大きな7つのネジだけでOK。そのまま後ろに引っ張るようにして背面のパネルを取り出します。さらに、スピーカーユニットと接続されているケーブルのコネクタをメインの基板から外し、もう少し中が見えるように開きます。今回はそれ以上は分解はしていません。その状態から分かる範囲を見ていきます。
開けてまずさっきのサイトの写真との違いで気付くのは、吸音材がほとんど入っていないことです。一番上部に申し訳程度にあるだけ。と言うより入れるスペース自体がほとんどありません。中はなんだかごちゃごちゃと狭いです。
電源周りは、トランスがあって、整流されて、35V4700uF*2(ニッケミのSMG。これ以外の電解コンデンサもたぶん全部ニッケミ)で平滑された正負の電源がまずあって、それがパワーアンプと、正負15Vを作る2つの三端子レギュレータに供給されています。三端子レギュレータは78L15と79L15なので、最大でも100mAまでしか流せないやつですね。さっきのサイトの写真にあるような大きなのじゃなくて、ヒートシンクも付けられない小さいのです。
入力の辺りは、この状態ではちょっと見えにくくてよく分かりません。
パワーアンプはナショセミのLM1875っていうICが使われています(けっこう有名なICらしい)。これを見て初めて気づいたんですが、このスピーカーはバイアンプじゃないんですね。ここ最近、「MSP5がいいかな」とか「いっそのことMSP7かな」なんてことばかり考えていたので、このスピーカーもバイアンプな気になってました(笑)。LM1875の電源ピンのそば(というより先ほどの三端子レギュレータのそばか)には、パスコンとして0.1uFのコンデンサ(積セラみたいなやつなんですが、104のわりにはややサイズが大きいような気がします。ニッセイのMMTっていうフィルムでしょうか?)が、基板の裏側からなんだか危なっかしく取り付けられています。こういう実装しかだめなんでしょうか?
で、このICからの出力がリレーをひとつ通って、そのままツイーターとウーファーへ送られています。ということで、スピーカーネットワーク回路はまだこの先のようなので、奥のスピーカーユニットの方を覗いてみると、ツイーターには電解コンデンサが1つ付いていますが、ウーファーの方には何も付いてません。うーん、そんなもんかな? ちなみにMSP5 STUDIOは24dB/oct、MSP7 STUDIOは30dB/octでツイーターとウーファーがクロスオーバーするようです。別にスパッと切れてたら良いってものでもないし、そもそもあちらはスピーカーユニット直前のパッシブな回路ではないので、比較するのはちょっとなんですが、商品名に”STUDIO”の文字が付くか付かないかは、結局このあたりなんでしょうね。ウーファーのサイズとか、最大出力とかだけの話ではないなと思いました。そういうわけなので、MSP3を購入予定の人は、もう少しお金をためてMSP5を買いましょう(笑)。
ツイーターに付いている電解コンデンサは、表示がかなり見づらいんですが、たぶん4.7uFだと思います。フィルムに交換できなくはない容量ですが、交換するならツイーターを一度箱から外さないとだめだと思います。
個人的には、それなりに熱くなるであろうパワーアンプICのそばに置かれている、平滑用の電解コンデンサを交換してみたくなりました。このスピーカーの内部の熱のこもり具合がいまいちわからないんですが、そろそろへたってきててもおかしくないと思います。でも、見た目は特に問題無さそうでした。
[追記 2011/12/13]
適当なのが家に転がっていたので、三端子レギュレータの二次側に付いている平滑用の電解コンデンサ、100uF*2を交換してみました。まず30分ほどそこそこ大きな音量で音楽をかけて、その後できるだけすばやく開けて中の温度を調べてみたのですが、一番大きな電解コンデンサがややぬるくなっているだけで、それ以外はパワーアンプICやそのヒートシンクさえも、ほとんど全くといっていいほど熱を持っていませんでした(LM1875は効率がいいのかな?)。そういうわけなので、やる前から交換する意味はあんまりないだろなと思っていたんですが、実際外したコンデンサを家に転がっていた測定器(いろいろ転がっているな(笑))で測ってみても、全く容量抜けはおこしてませんでした。当然ながら、音を聞いても何の違いも分からず…
これで終ってはちょっとつまんないので、もうひとつ実験。サウンドハウスのMSP3のレビューに、ウーファーに付いているスピーカーグリルが簡単に外せると書いてあったので、それを試してみました。スピーカーグリルは、どこかに引っかかっているとかではなく、ただ単に刺さっているだけなので、手前に真っ直ぐに引っ張ってくれば外れます。肝心の音はというと、少しだけですが違いがありました。個人的には外した音の方が良く聞こえます。スピーカーグリルも含めてチューニングしてあるでしょうが、気分的にはこういう余分なものは取ってしまいたい。そして何より、溜まっていた埃を掃除できたのは大きい(笑)。これからはこの状態で使おうと思います。