前回の記事でも少し書きましたが、COSUMIでKataGoを使ってみようと思います。
囲碁ブラウザゲーム COSUMI
https://www.cosumi.net/
とりあえず19路盤の互先の対局でレベル8まで作ってみました。こちらがテストページ。今までの(と置き碁)はレベル1相当です。19路盤の互先以外は今までのと違いはありません。
https://www.cosumi.net/play-test20220703.html (正式にリリースしたので削除しました)
問題なく動くようであれば、正式にリリースします。重大な問題が発生したら、永久的に止める可能性も今はまだありますが、たぶん大丈夫かな? ぜひ一度遊んでみてください。注意点として、上のテストページからリプレイに行ってその後盤面クリックしても、元のテストページには戻りませんので、そこはご注意ください。また、予告なく削除されたりなんなりもします。
今回の19路盤のレベル設定は、レベルがひとつ違うもの同士での自己対戦の勝率が80%になるように調整しています。このあたりの話を書きだすとかなり長くなるので詳細は省きますが、おそらくですが、レベルのひとつ違いの差が9路盤などと比較して大きく感じられるのではと予想しています。でももう、この「自己対戦の勝率が80%」で今後もいきます。それなりにしっかりとした考えあってのことなので、変更することはまずありません。それにしても、この強さの設定はいつもながら本当に難しいですね… あちらを立てるとこちらが立たずで、どうにも収拾がつきません。今しばらくは微調整が続くと思います。あと、その方が打っていて楽しいのではと思うので、「どのように強さを変えているのか」もあえて今回はここに書かないでいようと思います。と言っても、もちろん特別なことは何もしていません。
今後の予定もここに書いておきます。まず、今回のテストが問題ないようであれば、19路盤よりも小さな15路盤、13路盤、11路盤、9路盤でも同じくレベル8ぐらいまでできるようにしたいと思います。それから、これも前回の記事に少し書きましたが、8路盤までの棋譜を日本語で添削するNNを今作っているので、それも使えるようにしたいと思います。で、それができたら、今ある9路盤までの悪手指摘の機能は、少なくとも日本語ページでは完全に削除するつもりです。その代りに、サーバ代との兼ね合いになりますが、9路盤以上ではKataGoに添削してもらえるかもしれません。ちなみに、この2つの添削機能は、COSUMIで打たれた棋譜に限らないようにするつもりです。以上の内、どれから実装するかは、現時点では未定です。これが全部できたら、私の中でCOSUMIはおしまい…
[追記 2022/7/9]
13路盤以下は、今でもそれなりに強いレベルで対局できるので、あまり急ぐ必要もないのですが、15路盤に関しては19路盤と同じ状況なので、最初のリリース時に、19路盤だけでなく15路盤でもレベル選択できるようにしたいと思います。現在、大急ぎで準備していますが、19路盤も今一度設定を詰め直したいので、正式なリリースまで早くても後2週間は掛かりそうです。
[追記 2022/7/21]
テストページで15路盤の互先でもレベル選択できるようにしました。15路盤は、「レベルがひとつ違うもの同士での自己対戦の勝率が78%」でいきます。19路盤も全て調整し直して、こちらはレベル9もいけそうですが、もういいですよね? 大きな問題が無ければ、このテストページの内容で3日後ぐらいに正式にリリースします。
レベル調整の作業は、どうしても待ち時間が大きくなるのですが、ここ最近はそれに合わせた生活リズムになっていましたし、時間が経ってしまうと勘所が頭から抜けてしまうので、次の作業としては、引き続き9路盤、11路盤、13路盤もレベル8ぐらいまでにしてしまおうと思います。そしてその次に、今ある悪手指摘の機能を、19路盤まですべて対応させる形でKataGoに置き換えたいと思います。ここまでいろいろやってきた感じでは、KataGoはかなり安定してますね。たまによく分からないおかしなことが起こっても、よくよく調べると、私かGNU Goが悪いことがほとんどでした。そして、やはりとても軽いです! なのでこれもできると思います。そして一番最後に、8路盤以下はそれを私の作った日本語で添削する機能に置き換えて、それで完成かなというのが今の予定です。あと書き忘れていたのですが、置き碁に関してはレベル選択も含め今後も一切変更加える予定はありません。
テストページで打ってくれる人が現時点までほとんどいませんでしたので、とりあえず今からCOSUMIで宣伝してきます。
[追記 2022/7/24]
正式にリリースしました。今回は、かなり大がかりなアップデートですし、エラーが出ない不具合が発生する可能性も高いので、まだかなり心配なんですが、とりあえず今のところは大丈夫でしょうか? ちなみに今現時点で、正式リリース後、19路盤レベル8の作り碁になった対局は、COSUMIの807勝13敗です。ユーザが投了しているケースも相当多いと思われます。
KataGo用の本番サーバは、当初、メインメモリが16GBのg5g.2xlargeで考えていたのですが、ちょっとお値段が気になってしまい、8GBのxlargeにしてしまいました。裏で何か作業する時に気をつかわされるのがいやですが、足りてるといえば足りてますので、何かあったらまたその時考えます。と思っていたら、CPUもボトルネックになりかねないことにちょうど今、気がついて、少し驚きました。でも、まあ大丈夫なはず。KataGo動かすというのに、メインメモリやCPUの心配ばかりして、GPUは安心っていうのもすごい話です…
で、g5gということでCPUがARMなんですが、ネットで調べてもKataGoを動かしている話はほとんど出てきませんが、特に何も問題なく使えています。Ubuntu 22.04、nvidia driver 515、CUDA 11.7、KataGo 1.11.0という最新(?)の組み合わせで、NVIDIAやKataGoのドキュメントどおりの手順でいけます。書かれていないことでやったのは、KataGoをビルドする時に、cmakeに-DCMAKE_CUDA_COMPILER=/usr/local/cuda-11.7/bin/nvccとオプションを付けたことぐらい。引っ掛かりポイントは特にありませんでした。そして、それでとても安定しています。他のクラウドサービスのことは、私はぜんぜん詳しくありませんが、g5g.xlargeはオレゴンで0.42USD/時間とお安いので、同じようなことをするのには、まあ良いのではないでしょうか? 今回いろいろ作業していて強く思ったのは、KataGoの動作環境はできるだけ多くの人で共有したほうがいいってことですね。日本棋院とかそういうことやらないんですかね? てかやってるのかな?
[追記 2022/7/26]
現時点で、正式リリース後、19路盤レベル8の作り碁になった対局はCOSUMIの3191勝39敗、レベル7は165勝6敗、レベル6は169勝6敗。今後、ガチな方々が遊んでくれるようになったとしても、強さはもう十分ですね。
KataGo用のサーバを追加した代わりに1台サーバを止めたのですが、結果、KataGo用のサーバ以外のリソースがぎりぎりになってしまいました。事前にユーザの行動が正確に読めなかったので仕方ない部分もあるのですが、正直、全く問題ないだろうと予測していました。AWSのSavings Plansの関係もあり、向こう1か月はこのままの構成で行かせていただきたいのですが、ちょっと無理かもしれません…
[追記 2022/7/28]
どこまでいっても正確な言葉の定義や数字を示しようがないのですが、いろいろ調べてみた感じ、19路盤レベル8でユーザが投了している対局は、作り碁になった対局の7倍ほどあるとみてよさそうです。この数字は、私の予想よりもかなり大きいのですが、投了するようなユーザは、投了で対局を早く終わらせる分、1人あたりの対局数が多いのかもしれません。加えて、これは最初から分かっていたことですが、ユーザが勝った対局も、結構な割合でユーザが人間ではなくコンピュータです(今回はあるのかどうか調べていませんが、COSUMI vs COSUMIとかやる人は昔からちょくちょくいます。ちなみに、私もテスト中に何回もやりました。AutoGo便利!)。となると、人間ユーザの勝率はもう0.1%ぐらいしかないことに… 確かに、レベル8はそれなりに強いのでしょう。しかし、それ以上に思うのは、COSUMIには本当に強い人は全然いないんだなあということです。もともとCOSUMIが弱かったのだから、当然でしかたのないことではあるのですが、これからはそういった方々にも価値を提供できるようになりたいですね。ぜひ一度、名のある方にレベル8をバサバサと叩き切ってもらいたいところです。
後、対局リプレイページにSGFをクリップボードにコピーするボタン用意しておきましたので、便利にお使いください。