第14回コンピュータオリンピック

2009.05.17  |  Fuego, MoGo, Zen, 囲碁, 将棋  |  Comments (0)

[以前の関連記事] : MoGoとFuegoを対戦させてみた

現在、スペインのパンプローナで、第14回コンピュータオリンピックという大会が行われています。チェスや囲碁などのテーブルゲームの大会のコンピュータ版なんですが、囲碁の9路盤と19路盤がもうすでに終了して結果が出ました。

14th コンピュータオリンピック, 囲碁 (9×9) – パンプローナ 2009 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/tournament.php?id=194&lang=3

14th コンピュータオリンピック, 囲碁 – パンプローナ 2009 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/tournament.php?id=193&lang=3

9路盤は1位Fuego、2位MoGo、3位Yogo、19路盤は1位Zen、2位Fuego、3位MoGoとなりました。9路盤はFuegoとMoGoの2強の戦い、19路盤は先の2つにZenを加えた3強の戦いといった感じだったようです。

しかし、Fuego強いです。9路盤と19路盤の両方でMoGoの上を行ったというのは相当ですね。まあ、Xeon E5450が8発ってのは若干反則気味ですが…(笑) 自腹で用意したんでしょうか?

そして、19路盤でそのFuegoのさらに上を行ったZenですが、CGOSでも抜群の強さを見せています。KGSのZen19ってアカウントがこのソフトだと思うのですが、ランクは1dだそうです。すごいですねー この大会のウェブサイト見て初めて知ったのですが、Zenの作者はYamatoさんという日本人の方だそうです。

今大会には将棋も競技としてあったのですが、参加はたったの2チームだけだったようです(ちょっとさびしい…)。TACOSが出て優勝しています。

[以後の関連記事] : 第15回コンピュータオリンピック

[追記]
Fuego開発者の方の、詳細な大会レポートが出ています。ハードウェアはIBMが用意してくれたみたいですね。

Fuego at the Computer Olympiad in Pamplona 2009: a Tournament Report(PDF)
http://www.cs.ualberta.ca/TechReports/2009/TR09-09/TR09-09.pdf

大会に参加したのとほぼ同じ内容のFuegoの安定版、バージョン0.4もリリースされています。

MoGoとFuegoを対戦させてみた

2009.05.14  |  Fuego, MoGo, 囲碁  |  Comments (0)

[以前の関連記事] : 囲碁思考エンジンFuegoについて調べてみた

以前Windows上で上手くいかなかったMoGoとFuegoの(連続)対戦を、Linuxで試してみました。今度は成功です。

Sylvain GELLY’s Home Page
http://www.lri.fr/~gelly/MoGo.htm

Fuego
http://fuego.sourceforge.net/

MoGoは、こちらページの’MoGo on linux’のリンクからダウンロードしてきました。碁盤サイズごとに

--9 --time 10--13 --time 10--19 --time 10

と実行時にオプションをつけています。--timeオプションは2つのソフトの時間のバランスをとるためにつけました(バランスがとりきれてませんが…(笑))。Fuegoはソースコードをダウンロードして自分でコンパイルしました。バージョンは0.3.2、実行時のオプションは何もつけていません。使用したPCのOSはCentOS 5.3、CPUはAthlon X2 BE-2400。それぞれの碁盤サイズごとに、先後を換えて10局ずつ計20局対戦させました。コミは6目半。カッコ内は、一局あたりの平均消費時間です。強さを調べるのにはちょっと対局数が少ないですが、時間がかなり掛かるので、このあたりで勘弁してください…

9路盤 MoGo(179.6sec) 10勝 – 10勝 Fuego(174.5sec)
13路盤 MoGo(361.1sec) 13勝 – 7勝 Fuego(448.0sec)
19路盤 MoGo(763.3sec) 13勝 – 7勝 Fuego(908.2sec)

Fuegoが思ったより強くて驚きです。碁盤サイズが小さい方が得意なんでしょうか? 大会などに出ているMoGoは、今回のバージョンよりもたぶんもっと強いんだと思いますが、Fuegoもこれから期待できそうです。ちなみに対局結果は全て中押しでした。

最後に、19路盤の棋譜をMoGoが勝ったのとFuegoが勝ったのと1つずつ置いておきます。たくさんあった棋譜の中からこの2つを選んだのには、特に意味はありません。

[黒]MoGo vs [白]Fuego : 黒(MoGo)中押し勝ち
[黒]Fuego vs [白]MoGo : 黒(Fuego)中押し勝ち

[以後の関連記事] : 第14回コンピュータオリンピック

第19回世界コンピュータ将棋選手権

2009.05.01  |  将棋  |  Comments (0)

明後日、5月3日から第19回世界コンピュータ将棋選手権が開催されます。

第19回世界コンピュータ将棋選手権
http://www.computer-shogi.org/wcsc19/

第19回世界コンピュータ将棋選手権 ライブ中継
http://homepage.mac.com/junichi_takada/wcsc19/

今回は、先日ソースコードが公開された、Bonanzaのライブラリを使用したソフトがどのくらい出て来るのか、ちょっと興味があったのですが、どうやらBonanza自身以外では、「文殊」というソフトだけみたいで、意外と少なかったですね。もし、このソフトが決勝まで行けば、Bonanzaとの師弟対決(?)を見ることができるので期待です。それから、それ以外の面白そうなソフトといえば、「漫遇将棋」でしょうか? よく分からないんですが変り種らしい… そして、「A級リーグ指し手1号」は今年も出るようです。私はこれを応援します(笑)。

それから、今年はエキシビション対局が無くなったらしい… なぜだか分かりませんが、これはすごく残念。

と、ここまで書いてあれなんですが、例のインフルエンザの関係で、この大会の開催がちょっと危ぶまれているらしいです。コンピュータ将棋協会のトップページ曰く、

今後、状況が変化した場合は、当サイトにて状況をお知らせしますので、ご注意願います。
もし会場の早稲田大学構内が立ち入り禁止となりましたら、中止のやむなきに至る可能性もございます。何卒ご了承ください。
(早稲田大学Webサイトには、「今後、日本国内で人から人への感染が確認された段階」で全キャンパスが立ち入り禁止になるとの告知があります)

なんだとか。致し方ないことではありますが、本当に中止になったら残念ですね。

[追記]
とりあえず、一次予選が始まりました。会場の様子は動画・写真でこちらから見ることができます。

コンピュータ将棋選手権ネット中継
http://computer-shogi-live.cocolog-nifty.com/

[追記]
大会はGPS将棋の優勝で幕を閉じました。GPS将棋、強いのは分かっていましたが、優勝とはちょっと驚きです。実は以前、このソフトを使って、COSUMIの将棋版を作ってみたいなと少し思ったことがあったのですが、うーんなんだか本当に作ってみたくなってしまいました…(笑) 実際作るとなると、またいろいろと大変になりそうですが、せめてCOSUMI APIの将棋版だけでもいいので、挑戦してみたいです(これならたぶん簡単なので)。需要ないでしょうか?

Bonanza vs 文殊 は、直接対決はBonanzaが制しましたが、順位では文殊3位、Bonanza5位という結果でした。文殊はBonanzaを使ったかなり単純な合議アルゴリズムだったそうです。まだまだはっきりしたことはよく分かっていないと思いますが、これでうまくいくなら、なんだかすごいですね。

来年は、エキシビション対局の復活をお願いします!