クライアントサイド版COSUMIを作ってみました

このブログ記事は、以前書いた記事の続きです。よろしければ、そちらもどうぞ。

Keras/TensorFlowでDNNな囲碁の評価関数を作ってみる
http://www.perfectsky.net/blog/?p=350

Keras/TensorFlowでDNNな囲碁の評価関数を作ってみる その2
http://www.perfectsky.net/blog/?p=380

囲碁の思考エンジンを作ってみる
http://www.perfectsky.net/blog/?p=389

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以前から作っていた囲碁思考エンジン「white shade」を、JavaScriptに書き直してブラウザで打てるようにしてみました。COSUMIのクライアントサイド版です。

white shade – 囲碁ブラウザゲーム COSUMI
https://www.cosumi.net/whiteshade.html

今現在は9路盤しかできませんが、強さはレベル1からレベル4まで選択できるようになっています。それぞれのレベルでの強さは、一応、通常版のとできるだけ合わせましたが、通常版を手元で再現するのがちょっとめんどくさくて、なかなか完璧にはいっていません。一応、クライアントサイド版では、レベル1はGNU GoのLevel 7に勝率60%、レベル4はFuego1.1の7000playoutに勝率50%、それ以外のレベルは、1レベル違いの自己対戦の勝率が同じになるようにしていきます(これでまあだいたい通常版と同じです)。最終的には、通常版にも無いレベル7ぐらいまで行きたいですね。まだやれることはたくさんあるので、それぐらいはなんとかなりそうな気はしています。現状は、目一杯の設定で、だいたいレベル4.5ぐらい。GNU Goに一局あたり平均16目ぐらい勝てるのですが、それでも勝率は90%を辛うじて超える程度で、100%っていうのはやはりかなり大変そうですね。

レベル1では、4子までの置き碁もできるようにしました。GNU Goにこれをさせると怪しいことになるのでちょっとあれなんですが、white shadeは、どれだけ形勢が悪くても結構自然に打つので、特に問題は無さそうです。今後はもっと大きな碁盤サイズでも対局できるようにしていきますが、8路盤以下は、もうこれで許してください…

JavaScriptのDNNライブラリ(って呼んでいいのかな?)は、TensorFlow.jsを使っています。私も使えたので(笑)、たぶんそんなに難しいものではないです。元々のPython版white shadeも、GTPとかデバッグ用のコードとかもろもろ除けば、実質200行ぐらい(?)のプログラムだったので、JavaScriptに書き直すのも大した手間ではありませんでした。一番たいへんだったのは、先ほどの強さの調整ですね。きれいに弱くするということがこんなに難しいことだとは、本当に思っていませんでした。後、少し心配しているのが、JavaScript版にした時に、NNのモデルのコンバートなんかで弱くなってたりしていないかなんですが、自分が打っている限りでは、大丈夫なように見えます。JavaScript版の強さの計測は、これも今後ちょっと厄介ですね。

簡単にwhite shadeの中身についても、書いておくと、基本的に、左上から右下まで本当に全幅で1手読んでるだけですが、人の手のみを学習したPolicy Networkの出力も少しだけ加味して手を決定していて、あとは、自然に打てるように微調整ですね。レベル4が少し重いかもですが、それ以外のレベルは、ちゃんと動きさえする環境ならば、おそらくサクサクだと思います。で、問題はそのちゃんと動く動作環境なんですが、今現在、iPhone/iPadのiOS系が安定して動かないと思います(後、IEもですがこれはもう本当にどうでもいい。Androidはちょっと分かっていません)。これは結構色々調べたのですが、まず、iPad+Chromeはだめで、Mac+Safariは大丈夫なので、iOSがだめっぽいのですが、NNのモデルを小さいものに変更するとかなり安定するようになるので(ちなみに今現在、Value Networkが92万、Policy Networkが45万パラメータぐらい。本当はもっと大きなNN使いたいぐらいなのに…)、端末が非力なことが単純に問題なのかもしれません。とはいえ、とりあえず動くだけは動いて欲しいのですが… iPhoneで動かない限り、トップページからのリンクもちょっと張れません。これはまた、なんとかします。

今現在、COSUMIは年間のサーバ代(最初に掛かった初期費用は入れず)が130万ぐらい掛かっているのですが、それがこのクライアントサイド版でいつか半分ぐらいにならないかなあと、つい皮算用してしまいます。私は今、車が欲しいんです(笑)。生まれてこのかた、一度も車なんて買ったことないのですが、今猛烈に欲しいんですね。軽でいいんですけど、新車が欲しい(笑)。そのためにも、このサーバ代はなんとかしなければいけません。話変わりますが、なんかネット見ていたら、さくらインターネットからお中元が来たって方がちょくちょくいるのですが、今までに新車のポルシェ一台分ぐらい貢いだ私はもらったことがない!(笑) うー、まだ足らないのかな… おいらもチョコが食べたい。

[追記 2018/9/2]
今回は、white shadeで囲碁の対局をできるようにしたわけですが、いつかは、9路盤以下の悪手指摘機能をこれで置き換えたいですし、もっと言うと、white shade Teach作りたいですね。この場合、teachするのは、囲碁というよりも、white shadeの囲碁に対する気持ちぐらいでしかありませんが(笑)、それでも、初心者の方には、十分有益なような気がします。忙しいので当面の間は無理ですが、またいつかがんばります。

[追記 2019/1/5]
ブラウザがロードするTensorFlow.jsのライブラリのバージョンを上げたら、iOSでもwhite shadeが動くようになったみたいです(やほい!)。ひさしぶりに私も対戦してみましたが、この子、そんなに弱くはないのですが、ときどきとんでもない転び方するので、ちょっと面白いです。ぜひiPhoneで一局打ってみてください。

今現在、9路盤以外でも対局できるように準備していますので、そちらはもうしばらくお待ちください。

3 Comments »

  1. こんにちは。毎日のようにCOSUMIを使わせてもらっています、本当にありがとうございます!
    white shadeというのを試そうとしたのですが、当方のPCではまったく動かず、PCの挙動そのものが不安定になってしまったことを報告しておきます。Win7・16bit、chromeという環境で少々古いものになります。ご参考まで。

    もち - 2018/10/07 17:45

  2. ご報告ありがとうございます。
    なんか、きちんと動かないことが多いですね。すみません。
    少しずつは直っていくと思いますので、また今度遊んでみてください。

    kingfisher - 2018/10/09 20:12

  3. >COSUMIの中の人が自分自身で作成した囲碁の思考エンジン、「white shade」との対局ゲームができました

    いつもCOSUMIを愛用してくださっている人が、「white shade」という対局ゲームを作ってくれました。

    馳銀 - 2018/11/07 13:01

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