今日と明日の2日間、第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会が行われます。
第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会
http://jsb.cs.uec.ac.jp/~igo/
主な参加ソフトは、Zen、Crazy Stone、Pachi、Aya、The Many Faces of Go、Nomitan、MP-Fuego Prototypeあたりでしょうか? 優勝と準優勝したソフトは、来週水曜日に行われる第1回電聖戦 で石田芳夫九段と対局することになっていますので、かなり注目です。
明日午後からのみのようですが、ネット配信もあります。
USTREAM: 第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会: 2013年3/16(土), 3/17(日)の二日間にて第6回UEC杯コンピュータ囲碁大会を開催します。
http://www.ustream.tv/channel/%E7%AC%AC6%E5%9B%9Euec%E6%9D%AF%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%9B%B2%E7%A2%81%E5%A4%A7%E4%BC%9A
[追記 2013/3/18]
優勝はCrazy Stone、準優勝はZenでした。明後日は何子で打つんでしょうか? できたら3子がいいな…
[追記 2013/3/19]
今日、こちらのページ に明日の電聖戦は3子でやると、一度出てたと思うんですが、今見ると3月20日午前ハンデ確定 になってますね… でもまあ3子なんじゃないかと思います。
[追記 2013/3/21]
結局、一局目のZenは4子、二局目のCrazy StoneはZenが勝ったら3子で負けたら同じく4子という条件でスタートし、Zenが負けてCrazy Stoneが勝ちました。なんか「コンピュータソフト開発者側から3子はきついみたいな話が出て、とりあえず4子からにした」みたいなことを言われてましたが、賞金がでる対局でそういうことはあまりやらないほうがいいと思います。あと対局条件はそろえた方が良かったのでは? もし今回、Zenが勝ってCrazy Stoneが負けてたらと思うと、ちょっとそれは…
Zen vs 石田芳夫九段 (白中押し勝ち)
Crazy Stone vs 石田芳夫九段 (黒3目勝ち)
COSUMIの新しいサーバを借りたので、本番に投入する前に、自分のPCでは普段できない、負荷の掛かる重いPachiのテストをいろいろやってみました。とりあえずplayout数を20kにそれぞれ設定してFuegoと100局(以下すべて19路盤、コミ6目半。Pachiのバージョンは9.01、Fuegoは1.1。カッコ内は、一局あたりの平均消費時間です)。
Pachi。
$ pachi -t =20000
Fuego。
$ fuego --config foo.conf
foo.conf。
uct_param_search number_threads 1
uct_param_player ignore_clock 1
uct_param_player max_games 20000
そして結果は、
Pachi(832.2sec) 67勝 – 33勝 Fuego(550.5sec)
消費時間が結構違うので、今度はplayout数を15kと25kにして更に100局。
Pachi(619.4sec) 41勝 – 59勝 Fuego(635.6sec)
うーん、そうなんですよね。私が調べた範囲では、以前から19路盤でもPachiがいまいち冴えないんですよね… 一応、ここ にあるextra pattern files を使うと強くなるらしいですが、言っても50~150Elo程度のようですし、なにか他にしておいた方が良い設定とかあるのかな?
気を取り直して次行きます。今度はplayout数に因る強さの変化を調べてみます。playout数が1kから128kの8つのバージョンのPachiに、Gomill というソフトを使って、1ペアあたり10局の総当たり戦を行わせてみました(このGomillというソフトはすごい便利!)。
A B C D E F G H
A pachi-playout1k 1-9 0-10 0-10 0-10 0-10 0-10 0-10
B pachi-playout2k 9-1 0-10 0-10 0-10 0-10 0-10 0-10
C pachi-playout4k 10-0 10-0 0-10 0-10 0-10 0-10 0-10
D pachi-playout8k 10-0 10-0 10-0 1-9 0-10 0-10 0-10
E pachi-playout16k 10-0 10-0 10-0 9-1 1-9 0-10 0-10
F pachi-playout32k 10-0 10-0 10-0 10-0 9-1 2-8 1-9
G pachi-playout64k 10-0 10-0 10-0 10-0 10-0 8-2 2-8
H pachi-playout128k 10-0 10-0 10-0 10-0 10-0 9-1 8-2
playout数が増えるにしたがってきっちりと強くなっていくのですが、上の方ではその効果が少しずつ失われていくのがわかります。そして問題はこれが最終的にはどのように収束していくのかなので、さらに追加で128kと256kを20局。
A B
A pachi-playout128k 7-13
B pachi-playout256k 13-7
そして、Fuegoでも同じようなことをさせてみました。
A B C D
A fuego-playout16k 2-8 2-8 1-9
B fuego-playout32k 8-2 3-7 1-9
C fuego-playout64k 8-2 7-3 2-8
D fuego-playout128k 9-1 9-1 8-2
はっきりしたことを言うには対局数が少なすぎますが、Pachiの時とはちょっと様相が違って見えます。
全体的な結論としては、「playout数が多ければPachiは強いけど、少なければそうでもない」といった感じでしょうか?
最後に、無作為に選んだPachiの128kと256kとの対局を先後を換えて1局ずつ貼っておきます。
Pachiの本家サイトに、最近まで用意されていなかったWindows用のバイナリが出ています。
Pachi – Board Game of Go / Weiqi / Baduk
http://pachi.or.cz/
以前からこちらのサイト には古いバージョンのWindows用バイナリがあったのですが、私の環境ではなぜだかちゃんと動作しませんでした。でも、今回のバイナリはどうやら特に問題なく動くようで、試しにGoGuiで19路盤を一局打ってみましたが、最初はむちゃくちゃなのに対局が進むにつれてだんだんしっかりしてくるのがちょっと面白かったです。パラメータの設定とかあまりよく分からないのでなんですが、最近のハードで動かせばそれなりな棋力ではないかと思います。とはいえ、天頂の囲碁3になれた体には…(笑)
本日11月18日から、オランダのTilburgで第16回コンピュータオリンピックが始まります。
Tilburg 2011 (ICGA トーナメント)
http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/event.php?id=43&lang=3
囲碁はMany Faces of GoとMogoが今年は出ないようですが、代わりにPachiが居ますね(なぜだか19路には出ないようですが…)。
[追記 2011/11/26]
9路盤、13路盤、19路盤ともZenの優勝でした。現在、天頂の囲碁3を注文中なんですが、それがご祝儀です(笑)。基本的にZen、Steenvreter、Pachiの順で成績が良かったようです。最初そうは書かれてなかっただけで、Pachiは結局19路盤にも出たんですね。
次は、「第5回UEC杯コンピュータ囲碁大会」が12月3日から行われます。
第5回UEC杯コンピュータ囲碁大会
http://jsb.cs.uec.ac.jp/~igo/
先日、このサイト内でまだ一度も「Pachi」という単語が使われてないことに気づき、めちゃくちゃ驚いてしまいました。ということで今回はこのすごく強いオープンソースの囲碁ソフトの紹介です。ちょうど9.00という新しいバージョンがリリースされたばかりです。
Pachi: Software for the Board Game of Go / Weiqi / Baduk
http://pachi.or.cz/
Pachiは、かなり以前からKGSでよく見かけたりしたのでそこそこ有名なソフトだと思います。そして、オープンソースのプログラムの中ではたぶん最強でしょう(少なくとも19路盤では間違いないかと)。この周俊勲九段との7子局とかけっこうすごいです。
いつかCOSUMIでもお世話になることがあるかもしれませんが、碁盤サイズが小さいとFuegoもかなり強いんですよね。